サマースクール カナダ短期バレエ留学体験談

 

堀江祢音ちゃqんの体験談です。

 

 

 

私は7/30から約2週間、カナダのロイヤルウィニペグバレエスクールのサマースクールに参加しました。大学の試験の関係で遅れての参加になったのですが、同じ日本人の生徒だけでなく言葉の通じない他国の生徒や先生方など、サマースクール全体が優しく温かい対応で仲間に入れてくれて、初めての環境に対する私の緊張はすぐに解けました。2週間の日々では、クラシックバレエ、ポワント、バリエーション、レパートリー(クラシックの群舞)、フラメンコ、ジャズ、モダン、のクラスの中から1日4クラスの時間割が組まれ、踊ること尽くしの非日常的で贅沢な日々を送ることができました。ハードな日々でしたが、こんなにも踊ることだけを考えて、それらだけに全力を尽くせる日々はとても充実していて楽しかったです。

この2週間を通して、クラシックにおいては同じ日本人の踊りに刺激を受けました。もちろんスタイルや素質においては他国の方のほうが綺麗で恵まれてはいるものの、他国に比べてコンクールによる競争性の高い日本人のクラシックは、繊細なところや、ダイナミックなところ、ポーズの見せ方などの、踊りにおけるメリハリが鍛えられており、2週間を通しれそれらが自分にはまだまだ足りていないことが明確になりました。同じ日本人ではあるものの、この機会がなくては接点を持つことのなかったであろう全国各地の子が集まって、一緒にレッスンをして、共通の好きなものを通じて仲を深め、互いに刺激を受け合って2週間切磋琢磨できたことは、奇跡と呼んでも良いほどに素敵で幸せな時間だったなと感じています。

一方、ジャズやモダンやフラメンコなどのクラシック以外の踊りでは、他国の方のほうが上手な印象を受けました。動きや形の全てに名前がついており決まりが明確なクラシックに対して、ジャズやモダンやフラメンコは決まりが明確でないからこそ自由度が高く、クラシック以外のダンス経験のない私にとっては難易度の高いものでした。そんな苦手意識の高いクラスでしたが、自由度の高い踊りを楽しそうに自分なりの表現で伸びやかに踊る他国の方の姿には、体全体を使って表現をして踊ることの魅力を改めて感じることができ、加えて私もいつの間にか苦手意識を忘れ心の底から踊ることを楽しめていたように感じます。クラシックをやっていると、決まりが明確な分その決まりを守れていない自分自身の未熟さに思い悩むことも多く、表現することや踊ることが大好きでバレエをしているという本質を忘れてしまいがちではありますが、どんな時でも、このサマースクールで再度実感した表現をして踊ることの魅力を忘れず踊り続けていきたいなと思いました。

またサマースクール全体を通しては、生まれも育ちも異なる世界各地からの生徒が、たとえ言葉は通じずとも、バレエを通じて体で心を通わせ、表現し合って繋がることを身をもって体験でき、バレエの芸術としての魅力を再度認識するとともに、私にとってそんなバレエが誇りある大切で大好きな存在であることを強く感じました。

今回のサマースクールに行く前の私は、「私のバレエの実力はこの程度止まりになりつつあるのかな、私のバレエはもうそろそろ趣味のフェーズになってしまうのかな、」など消極的に思っていた部分がありました。けれど、踊ることの魅力や誇り高いバレエの尊さを学ぶことのできた今回のサマースクールを経て今は、自分の自信や実力に関係なく、もっと必死に積極的に限界まで努力を重ねて、バレエを極めていきたいと考えています。今回の経験を無駄にせず、これからも日々のレッスンを怠らずに精進していきたいです。

加えて、こんなにも夢中になれるバレエというものに出会えたこと、とても感謝しています。三歳から始めたバレエ人生では、学生生活との両立や自信の未熟さに、何度も挫けそうになったことや、「逃げたい」「辞めたい」と思ったことがありますが、今ではこれまでバレエを継続してきたこと、心から良かったと感じています。たとえ自分に自信が持てない時でも、これまで必死にバレエをしてきたことや、そんな15年を経て今私には夢中になれるバレエがある、ということが私の強みになっていることを最近実感しているためです。バレエを通して自分を磨き、少しずつでも強くなることができていると感じています。私に強みや夢や目標をたくさん与えてくれているバレエに出会えたことをとても嬉しく思うとともに、そんなバレエを恵んでくれた環境への感謝をこれからも忘れずに過ごしていきたいと思っています。その感謝を胸に、一瞬一瞬に全力を尽くして、日々成長していきたいと思います。   堀江祢音